【基礎】ドルコスト平均法とは?
つみたてNISAなどの、積立投資と言われるものはドルコスト平均法と言われる方法で投資を行っています。このドルコスト平均法とはなんなのかを見ていきましょう。
株式や投資信託のように価格が変動する商品について、一度にまとめて購入するのではなく、例えば毎月1万円ずつのように、一定額ずつに分けて定期的に買う方法のことです。
一定額を購入するので、商品の価格が高い時には口数は少なく、価格が安い時には多くの口数を買うことになります。これにより、買い付けの単価を平準化することができます。
ドルコスト平均法と一括投資との比較
ドルコスト平均法を一括投資と比較して具体例で見てみましょう。
ドルコスト平均法の場合
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | |
投資額 | 1,000円 | 1,000円 | 1,000円 | 1,000円 |
購入単価 | 200円 | 125円 | 100円 | 200円 |
購入株数 | 5株 | 8株 | 10株 | 5株 |
7月時点での結果 株価は200円なので下記のようになったことになります。
合計投資額:4,000円
保有株数:28株
評価額:5,600円
平均単価:約143円
一括投資の場合
もし、4月の時点で一括投資で4,000円を投じて株を買っていたら、7月時点ではどのような結果になっていたでしょうか?
合計投資額:4,000円
保有株数:20株
評価額:4,000円
平均単価:200円
4月の購入時と7月の株価が200円で同額なので、当然、投資額と評価額が同じで特に利益を生む結果にはなりませんでした。
このような株価が一旦下がっても元に戻るようなケースでは、一括投資よりもドルコスト平均法の方が有利という結果になりました。
ドルコスト平均法の特徴
ドルコスト平均法は万能の投資手法ではありません。メリットもあればデメリットもあります。
メリット
・まとまったお金がなくても少額から始められる
ネット系の金融機関などでは積立投資は100円からでも始められるところがあります。
・時間分散によりリスクを軽減することができる
毎月などの間隔で定期的に投資していくので、投資のタイミングが分散でき、時間分散になります。時間分散ができると、高い時に買ってしまったとしても、また別のタイミングでは安く買うこともできて、長い目でみれば平準化することができます。
・投資を始めるタイミングに悩まなくていい
長期的に投資を行うのであれば、購入単価を平準化することができるので、いつが投資するのにいいタイミングなのかと、投資を始めるタイミングを狙う必要がありません。
デメリット
・長期投資する時間がない人には向かない
ドルコスト平均法は一定額を定期的に購入して購入価格を平準化する方法なので、長期分散投資のメリットの裏返しとも言えますが、そもそも定期的な収入が継続的になかったり、目標の金額を積み立てていくまでに時間がなかったりする人には向きません。
・売却時に価格が上昇していなければ、元本割れのリスクがある
先ほどの例のような、価格が一旦下落しても元に戻る、もしくは上昇するような相場ではドルコスト平均法の方が良いという結果になりましたが、相場が下落し続けるなどの場合には元本割れをしてしまうリスクもあります。
購入価格を平準化できたとしても、売却時には元に戻る、もしくは上昇していなければ元本割れが起きてしまいます。
まとめ:ドルコスト平均法は少額からでも長期に投資ができる人向けの投資手法
結局はドルコスト平均法はどんな人に向いている投資手法なのでしょうか?
まとまったお金がなくても、無理なく少額から長期に投資ができる人に向いた手法ですので、例えば、若いうちからの老後資金のための長期資産形成には向いていると言えます。
(マネーroom編集部)
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